「もの」と「こと」と「ことば」をめぐって-8つの視点

展示作家|石原友明、大西茂、大森克己、折笠良、児玉靖枝、中里斉、三島喜美代、ミッション インヴィジブル
会期|2022年11月2日(水)-27日(日)
会場|MEM  map
時間|12:00 – 19:00 (Art Week Tokyo期間の11月2-6日は10:00–19:00)
定休|月曜日 (月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
電話|03-6459-3205

「もの」と「こと」は、日本語での思考をかたちづくる重要な概念だと言われています。美術作品もまた、このふたつの言葉を巡ってつくられるものだと言っても過言ではありません。「もの」は「空間のある部分を占め、人間の感覚でとらえることのできる形をもつ対象」、「こと」は、「思考・意識の対象となるものや、現象・行為・性質など抽象的なものをさす語」と国語辞書にはあります。

「ことば」は「もの」と「こと」の間を取り持つかと思えば、「もの」を介さず「こと」を生み出したりもします。「もの」は「こと」を生み出し、またその逆もしかりです。そして、「もの」や「こと」も「ことば」を生じさせます。世界はこの複雑なネットワークのなかで形作られます。いままでこの関係性について多くの哲学的議論が生まれ、美術作品もまた作られてきました。

本展では、「もの」「こと」「ことば」の関係性のなかに出現する世界観を、それぞれの方法で追求した8つの作家と作家集団の試みを紹介します。

石原友明は視覚優位性についての我々の常識に点字ということばを介入させ疑問を呈し、児玉は「もの」でも「こと」でもないその中間に絵画表現を見出します。位相幾何学の研究を写真や書を通して表現しようとした数学者の大西茂、サイ・トゥオンブリーの、文字や数字、記号を取り込んだ奔放なドローイングに触発されたロラン・バルトの論文『Non Multa Sed Multum』を土台にアニメーションを制作した折笠良、スナップショットの風景に現れる文字に注目する大森克己、漢字のフォルムを解体し抽象絵画に応用した中里斉、消費される文字情報を陶器に焼き付けた三島喜美代、ことばで絵画を描写し、その描写したことばを絵画として提示する試みをしたミッション インヴィジブル(Mission Invisible)。この8つの視点を紹介します。

本展は、Art Week Tokyo参加プログラムです。