石原友明 展 「アウラとエクトプラズム」

会期:2013年6月22日(土)- 7月28日(日)
会場:MEM map
open hours:12:00-20:00 月曜休廊
tel. 03-6459-3205

展覧会関連対談企画
石原友明x光田由里(美術評論家、松濤美術館学芸員)
6月22日(土)18:00-19:00
会場:MEM 参加料無料

*対談終了後オープニングレセプションを開催します。

石原友明の新作展を開催致します。石原は、80年代に興った関西ニューウェーブを代表する作家として京都市立芸術大学在学中から作品を発表しはじめました。1988年にはヴェネチア・ビエンナーレのアペルト部門でカンヴァスにセルフポートレートを焼き付けた作品「約束」によるインスタレーションを発表。その後、90年代を通して3Dの抽象写真「不自由な眼差し」、コレクターが作品を組み立てる「KIT」、点字を使ったドローイングや写真作品、ピンボケのセルフポートレート写真などの多様なシリーズを継続的に発表。2000年代にはいり、展示スペースに真空を作り出すガラス彫刻と、電子顕微鏡写真によるセルフポートレートなどの作品が含まれるSCOTOMAシリーズを展開するなど、背景には、美術のみならず社会の既存の思考の枠組みや体制を挑発する試みが常に仕掛けられています。
本展は「アウラとエクトプラズム」と題し、身体の延長上あるいは身体内部から出てきたものとして発想された革の彫刻作品とそれを身につけている石原自身の写真によるインスタレーションを中心に展開いたします。
石原は京都在住。代表的な個展として「美術館へのパッサージュ」(栃木県立美術館)、「i [アイ]」西宮市大谷記念美術館等。作品を収蔵している主な美術館は、横浜美術館、東京都現代美術館、国立国際美術館等。欧米、ロシア、アジアも含めて国外でも幅広く作品が紹介されています。

「アウラとエクトプラズム」 石原友明

なにかしら「かたちづくる」=物質的に表現をおこなう場合、どうしても「色」そして文字通り「かたち」を伴ってしまいます。私の場合、「かたち」の拠りどころになるのは、なぜかいつも自分の「からだ」であり、そのためにこれまでの制作を、セルフポートレートという方法でおこなってきました。

「からだ」という「かたち」は、個別的であると同時に一般的で、また、暫時でありながら普遍するものです。そのような自分の持っている「かたち」を眼で触り、捏ねながら、拡大、延長、投影、反転、切断して、再度「かたちづく」ってゆく、そのような制作です。

ー毛穴から液状の光が外に漏れだして「かたち」を覆う。口や肛門から「からだ」が吐き出されるー

比喩に過ぎないとわかっているのですが、そんなことが強いリアリティを伴って、ずいぶんと長い間、頭から離れずにいます。私にとっては、「アウラ」と「エクトプラズム」とは「かたち」の問題なのです。