ロバート・ウィルソン展「《浜辺のアインシュタイン》のための11のドローイングと、ルシンダ・チャイルズのビデオポートレイト」

会期|2026年1月31日(土)-3月1日(日)
会場|MEM  map
時間|12:00 – 18:00
定休|月曜日 (月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
電話|03-6459-3205

 

レクチャー
「ロバート・ウィルソンの仕事-《浜辺のアインシュタイン》を中心に」
ゲスト|内野 儀(演劇研究者/学習院女子大学教授)
日 時|2月14日(土) 18:15–19:45
会 場|MEM
定 員|20名、要予約
参加費|1200円

会場参加チケット
オンライン決済=1200円(発券手数料24円が別途加算されます)

アーカイブ配信
配信期間|2026年3月24日-5月31日
視聴チケット
オンライン決済=1200円

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内田儀
1957年京都生れ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(米文学)。博士(学術)。岡山大学講師、明治大学助教授、東京大学教授を経て、2017年4月より学習院女子大学教授。専門は表象文化論(日米現代演劇)。著書に『メロドラマの逆襲』(1996)、『メロドラマからパフォーマンスへ』(2001)、『Crucible Bodies』 (2009)。『「J演劇」の場所』(2016)。東京舞台芸術祭実行委員会委員、公益財団法人セゾン文化財団評議員、公益財団法人神奈川芸術文化財団理事、福岡アジア文化賞選考委員(芸術・文化賞)、ZUNI Icosahedron Artistic Advisory Committee委員(香港)。「TDR」誌編集協力委員。


MEMは、前衛芸術家・演出家であり、2025年7月31日に逝去したロバート・ウィルソン(1941–2025)を偲び、「ロバート・ウィルソン展:《浜辺のアインシュタイン》のための11のドローイングと、ルシンダ・チャイルズのビデオポートレイト」を開催いたします。本展は『浜辺のアインシュタイン』初演50周年を記念し、1975年に同作のために制作された11点のドローイングを世界で初めて公開するものです。

1975年秋、ウィルソンは親友であり共同制作者でもある衣装デザイナーのクリストフ・ド・メニルのロングアイランド、バルセロナ・ポイントの邸宅にこもり、創作に専念しました。そこで生み出された一連のドローイングは、『浜辺のアインシュタイン』の視覚的・概念的基盤を結晶化したものです。リズム、空間、光への思索を映し出すこれらの作品は、20世紀演劇を刷新した伝説的舞台の出発点を明らかにします。

『浜辺のアインシュタイン』は1976年、アヴィニョン演劇祭で初演され、その後ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも上演されました。従来のストーリー的要素を排し、映像とサウンド、役者の動きが交錯しながら展開する本作は、現代演劇とオペラの言語を根底から変革し、世代を超えて多分野のアーティストに影響を与え続けています。

本展に出品される11点のドローイングは、抽象的なコンセプトを視覚的な形式へと翻訳するウィルソン独自の創作過程を示すものです。個々の作品は、時間・空間・身振りに対する彼の精緻な構想を映し出しつつ、孤独な思索の場であったバルセロナ・ポイントと、アヴィニョンやニューヨークでの大きな舞台空間での上演を結びつけています。

また、本展ではウィルソンが2005年に制作した振付家・ダンサー、ルシンダ・チャイルズのビデオポートレイト作品もあわせて紹介します。チャイルズは『浜辺のアインシュタイン』の振付を担当し、長年にわたりウィルソンと協働したパートナーです。抽象的な空を背景に、静かな緊張感を伴って現れるチャイルズの姿と、彼女自身による『浜辺のアインシュタイン』からのテキストの朗読が重なり、浜辺や水着、冷房の効いたスーパーマーケット等のイメージを喚起します。ここで提示されるベッドのシーンは1976年の初演でチャイルズが演じた場面に基づき、言葉とイメージが出会う瞬間の記憶を共鳴させます。

今日これらの作品に触れることは、舞台芸術と美術の可能性を絶えず刷新し続けたウィルソンの思考に触れる稀有な機会となります。本展は、2025年10月に東京芸術劇場で上演される彼の舞台作品『Mary Said What She Said』と呼応し合いながら、ウィルソンの遺した創造の軌跡を改めて深く刻むものとなるでしょう。視覚芸術と舞台芸術の両領域を横断するウィルソンの活動を、日本の観客に幅広く紹介する貴重な機会です。

恵比寿映像祭2026 地域連携プログラム参加企画展


ロバート・ウィルソン(1941–2025)
国際的に高く評価された演出家・美術家であり、演劇、オペラ、ヴィジュアルアートにまたがる活動を展開しました。照明・動き・空間スケール等を徹底的に探究した彼の舞台は、新しい演劇言語を創出しました。様々な芸術分野を横断した制作を行い、フィリップ・グラス、トム・ウェイツ、ハイナー・ミュラー、マリーナ・アブラモヴィッチ等、数多くのアーティストと仕事を共にしました。美術家としてのウィルソンの回顧展は、ポンピドゥーセンター(パリ)と、ボストン美術館で開催されました。氏の絵画、ドローイング、ヴィデオ作品やインスタレーションは、ルーヴル美術館、グッゲンハイム美術館、アムステルダム市立美術館等多くの美術館で展示され、視覚芸術と舞台芸術を架橋する比類なきヴィジョナリーとしての地位を確立しました。1981年に来日して以来、日本の演劇人や能楽師、歌舞伎俳優、舞踏家たちとの作品制作を通じた交流でも知られています。2023年、世界的に顕著な業績をあげた芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。

 


【カタログ】

『ロバート・ウィルソン展「《浜辺のアインシュタイン》のための11のドローイングと、ルシンダ・チャイルズのビデオポートレイト」』

展示作品の図版(ドローイング11点、映像スチル1点)のほかに、展示会場写真、資料図版として『浜辺のアインシュタイン』の舞台写真や、ストーリーボード、そして本書に寄せていただいた文章2編を収録。

判型|20x20cm、ソフトカバー、124頁
執筆|ノア・コシュビン(キュレーター、ウォーターミル・センター)
執筆|鈴木忠志(演出家、劇団SCOT主宰)
言語|日本語、英語