写真史家・金子隆一の軌跡

会期|2022年6月28日(火)-7月31日(日)
会場|MEM  map 、NADiff a/p/a/r/t (1階書店)
代表電話|03-6459-3205 (MEM)
入場料|無料
営業時間
MEM 13:00–19:00 ※ただし、7月7日〜9日は13:00-18:00
月曜日定休(月曜日が祝休日の場合は営業し、翌平日休業)
NADiff a/p/a/r/t 13:00–19:00 月、火、水曜日定休(7月18日(月・祝)は営業)

 

昨年6月30日に逝去された写真史家・金子隆一氏の業績を尊び、一周忌に合わせ、残された研究資料のなかから、関わった主要なプロジェクトの一次資料を展示します。是非ご高覧いただきますようご案内申し上げます。

日本写真史に先鞭をつけた金子隆一の軌道
日本写真史を掘り下げ、構築し、教育普及し、写真家を育成した金子隆一の半生を年代ごとに紹介します。学生時代に関わった全日本学生写真連盟での活動、フォト・ギャラリープリズムに出入りすることで始まった70年代の自主ギャラリー運動との関わり、岡上淑子等再評価に貢献した作家の仕事について、開館準備から長年勤めた東京都写真美術館での企画等、記録写真、自身の手による写真、著作や関わった印刷物やパンフレット、カタログ、書簡等の未公開を多数含む資料により日本写真史の研究における氏の足取りをたどります。2万点にも上る写真集、写真雑誌の収集家でもあった金子の書庫を、写真家・潮田登久子が撮影した写真も併せて展示いたします。

同ビル一階の美術、写真書籍を専門に扱う書店、ナディッフアパートでは、金子執筆の論文やエッセイが収録された書籍はもとより、金子推薦の関連書籍を中心に揃え、改めて日本近現代写真史を知るための本や重要な写真集を紹介致します。

展覧会カタログ

『写真史家・金子隆一の軌跡』 四六版、160頁、MEM、2022年6月28日刊、ISBN978–4–909598–09–7、SOLD OUT

金子隆一について
1948年、東京生まれ。父の影響で早くから写真に興味をおぼえ、大学時代に全日本学生写真連盟に参加する。1970年代自主写真ギャラリー運動に身を投じ、写真史家として活動に関わる。1980年代、小学館の『日本写真全集』全12巻の調査員として、近代写真の発掘と調査を全国に渡って行う。その後、東京都写真美術館開館準備に関わる。同美術館開館後は、専門調査員を長年務め多くの展覧会の企画を手がけた。金子は日本の写真集と写真雑誌の蒐集家としても国際的に有名。戦前戦後の日本の写真集や写真雑誌を調査することで、日本写真史を詳しく検証した。関わった出版企画として、『日本写真史の至宝』(国書刊行会)、『復刻版NIPPON』(国書刊行会)等。著作として『日本は写真集の国である』(梓出版社)他。

 

発起人代表
築地仁(写真家)

発起人 [五十音順]
飯沢耕太郎(写真評論家)
伊藤俊治(美術史家/東京藝術大学名誉教授)
伊奈英次(東京綜合写真専門学校校長/写真家)
笠原美智子(石橋財団アーティゾン美術館副館長)
島尾伸三(写真家/作家)
関次和子(東京都写真美術館事業企画課長)
高橋則英(日本写真芸術学会会長)
竹葉丈(名古屋市美術館学芸員)
田沼武能(一般社団法人日本写真著作権協会会長)
中森康文(テート、国際美術〈写真〉シニア・キュレーター)
丹羽晴美(東京都現代美術館事業企画課長/学芸員)
松本徳彦(公益社団法人日本写真協会副会長)

*田沼武能氏は、本展カタログに寄稿された原稿を校了された2022年6月1日に永眠されました。心から御冥福をお祈り申し上げます。

協力
金子節子

展示協力
東京綜合写真専門学校、PGI

施工
小林丈人

制作協力
山田悠

主催
金子隆一追悼展実行委員会

実行委員 [五十音順]
アイヴァン・ヴァルタニアン(GOLIGA)
石田克哉(MEM)
高橋朗(PGI)
高橋瑞穂(MEM)
藤村里美(東京都写真美術館)
三井圭司(東京都歴史文化財団)
山田裕理(東京都写真美術館)


 

 

講演「JAPANESE PHOTOBOOKS. LECTURE BY RYUICHI KANEKO」

2019年11月6日、ボンバス・ヘンス・アートセンター、バレンシア、スペイン


【東京都写真美術館紀要】

「新興写真研究会についての試論」 『東京都写真美術館紀要、No.3』2002 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、pp. 13-28

「東京都写真美術館収蔵の堺時雄関係資料について」 『東京都写真美術館紀要、No.4』2004 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、pp. 39-70

「東京都写真美術館寄託の福森白洋写真作品・資料および関係資 料について」 『東京都写真美術館紀要、No.10』2011 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、共同執筆:藤原パウラ、pp. 17-35

「東京都写真美術館寄贈の金坂健二写真作品・写真資料、映像作品 および関係資料について」 『東京都写真美術館紀要、No.11』2012 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、共同執筆:遠藤みゆき、田坂博子、pp. 45-79

「リアリズムとプロパガンダ―社会へ向けられた写真家のまなざし」 『東京都写真美術館紀要、No.11』2012 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、pp. 81-91

「シンポジウム「日本写真の 1968」全記録/モデレーター:倉石信乃、 パネリスト:土屋誠一、冨山由紀子、小原真史、金子隆一」 『東京都写真美術館紀要、No.13』2014 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、pp. 13-51

「展覧会『岡村昭彦の写真 生きること死ぬことのすべて』シンポジ ウム全記録/モデレーター:生井英考 パネリスト:百々新、小林 美香、戸田昌子 司会:金子隆一」 『東京都写真美術館紀要、No.14』2015 年、東京都歴史文化財団 東 京都写真美術館、pp. 31-63

 

【Web記事】

「1968年、激動の日本で何があった?『日本写真の1968』展」CINRA、2013年5月29日

「今さら人に聞けない、写真再入門 Vol.1 「写真集」とは何ぞや? 僧侶収集家による贅沢レクチャー」CINRA、2015年3月26日

会場撮影:伊奈英次