アントワン・ダガタ展|VIRUS

会期|2022年2月3日(木)—3月6日(日)
会場|MEM  map
時間|13:00 – 19:00
定休|月曜日 (月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
電話|03-6459-3205


映像作品上映会
会期中の毎週土日に、展示会場に隣接する部屋で、120インチスクリーンに映像作品を上映します。完全予約制です。

上映作品《LA VIE NUE
監督 アントワン・ダガタ
制作 2020年
上映時間 約8分
開催日|2/5(土)、2/6(日)、2/12(土)、2/13(日)、2/19(土)、2/20(日)、2/26(土)、2/27(日)、3/5(土)、3/6(日)
時間|各日6回(15:00、15:30、16:00、16:30、17:00、17:30)
定員|各回5名
会場|MEM
無料・完全予約制
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アントワン・ダガタは、マルセイユ出身。アンテルナシオナル・シチュアシオニストの運動に大きな影響を受ける。撮影現場になるコミュニティに自身が関与することを重要視している。被写体になる人たちと関係を結びともに生活する。だから撮影はしばしば長期に及ぶ。世界のさまざまな場所を移動しながら、複数の現場を手がけ、写真や映像作品にまとめられた作品は、出版、映画上映、展覧会等で展開される。
「VIRUS(ウイルス)」は、2020年3月17日、フランスでロックダウンが始まったタイミングで撮影を開始したプロジェクトだ。撮影は同年5月中旬までほぼ2ヶ月にわたって行われた。パリに加え、タヴェルニーやマルセイユなどいくつかの都市の病院で撮影を行ったという。病院のなかに患者が担ぎ込まれ治療されている現場を撮影したパートと、閑散とした街の路上を撮影したパートから構成され、内と外で進行するパンデミックをとらえている。ぽつんと途方に暮れたようにたたずむ人、身を寄せるところがない路上生活者、病院の集中治療室で横たわる患者、人も環境も建物も、ディテイルを奪われ、色彩のスペクトラムに還元されて表現されている。被写体の温度を色によって表現するサーモグラフィーで撮影しているのである。熱の分布が色で示されるので、そこにウイルスが存在し、人間とウイルスが共存していることがわかる。ウイルスの存在をカメラに収めるため、サーモグラフィーによる撮影に行き着いた。
本シリーズは、2020年7月にフランスのアルルで最初に展示され、その後メキシコ、スペイン、イタリア、中国、韓国、ウクライナで展示された。同名の作品集も出版され、映像作品もオンラインで公開されている。1〜2年の間に世界中、様々なメディアで展開されていった。
本シリーズ個展は日本では初めての開催である。
YEBIZO MEETS 第14回恵比寿映像祭地域連携プログラム参加企画展


パリのマグナムオフィスにいるダガタへ、オンラインでつなぎインタビューした動画をYouTubeに公開しました。
《VIRUS》について、制作経緯、出版、展覧会といったプロジェクト全体のことに加え、人の居ない静まり返ったパリの街と、目まぐるしく状況が変化する病院内と、両極端な現場を見てきたダガタの視点など、作品をめぐる多くのことを話していただきました。


アントワン・ダガタ
1961年フランス、マルセイユ生まれ。1983年にフランスを離れ、10年間ヨーロッパ、中米、アメリカなど世界各地を放浪。1990年ニューヨークのICP(国際写真センター)でラリー・クラークやナン・ゴールディンから写真を学ぶ。1991年から92年、マグナムのニューヨークオフィスにて久保田博二らのアシスタントとして働く。93年にフランスに帰国後、家庭を持ち、生活のため4年ほど写真から離れるが、その後活動を再開し、取材のほか、写真展の開催や多数写真集を出版する。1998年に最初の写真集『De Mala Muerte and Mala Noche』(不貞な夜)を出版。2001年には2冊目の写真集『Hometown』を出版し、ニエプス賞受賞。その後も出版を重ね、2003年に『Insomnia』(不眠症)、『Vortex』(渦)の刊行と併せて個展”1001 Nuits”を9月にパリで開催。他に、『Stigma』(2004)、『Manifeste』(2005)、『agonie』(2009)など多数出版している。2004年には最初の映像作品『El Cielo del Muerto』を制作し、この時の体験が東京で撮影した長編作品『Aka Ana』(2006)へと繋がっていく。同年、『Insomnia』(不眠症)で第20回東川賞・海外作家賞を受賞。2004年マグナムに参加。2008年より正会員。2005年以降は出版と併せて展覧会も開催し、2012年デン・ハーグ写真美術館(オランダ)、2013年ル・バル(パリ)、MuCEM(マルセイユ)、Forma(ミラノ)などで発表している。2013年アルル国際写真祭で『Anticorps』が写真集賞受賞、日本語版「抗体」(AKAAKA)も出版した。フランスにある自身のスタジオStudio Vortexでは、2017年に作品集『Manifesto』を皮切りに刊行を続け、2020年に『VIRUS』も出版した。