女優家Mの物語

森村泰昌は、2001年に「女優家Mの物語」という写真集を出版する。
1993年から2000年までに撮影された、93点の白黒写真によって構成されている。森村のアトリエでの作品の制作風景や、1996年横浜美術館で展示したカラーの女優シリーズを制作しているときに、別カットで撮ったり、オードリーヘップバーンの衣装で、大阪の街を歩き、地下鉄やうどん屋の前で撮影した作品などが含まれており、特筆すべきは、1995年に東大で行われたマリリン・モンローに扮した森村のパフォーマンスを撮影した写真である。全体的にプライベイトな雰囲気が強く、森村の他の大型のカラー作品とは一線を画したものになっている。
「女優家Mの物語」は、展覧会として、美術館「えき」KYOTO(2000)、川崎市民ミュージアム(2002)、砺波市美術館(2005)に巡回した。


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