繁殖模倣変換器, 2024

ゼラチン・シルバー・プリント、ビデオ(モノクロ、サイレント、10分5秒)

フランスのアルル写真祭の企画展「Iʼm So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now」にて発表した写真と映像によるインスタレーション。

 

[組み写真作品]
インスタレーションで使用した800枚以上の8×10(六切り)サイズのプリントの中からセレクトし、ユニークエディションとして新たにプリントした50点セット。
ゼラチン・シルバー・プリント
Paper size:  20.3×25.4cm
Image size: 16×24cm
Edition: Unique

 

[単写真作品]
上記、50点セットの中から1点ずつプリント
ゼラチン・シルバー・プリント
Paper size: 50.8×61cm
Image size: 38.5×58cm
Edition: Unique


 

「文章と写真はとても似ている。一枚の写真だけでは意味が通じない。一つの言葉もそれだけでは意味をなさない。複数の写真や言葉を組み合わせることで、意味が浮かび上がってくる。」

小松浩子は、実験的なノイズ・ミュージシャンだったが、2000年代半ばに写真家の金村修が主宰するワークショップに参加したことをきっかけに、写真に取り組み始めた。ミニマリストであると同時にマキシマリストでもある。建設現場や解体作業場といった工業地帯を35mmフィルムのライカで撮影した写真は、どれも無機質でストレートな印象を与える。作品のインパクトと効果は、何百、何千もの写真から構成されるインスタレーションによって増幅される。小松は過去10年間、複雑な構成と没入感のあるインスタレーションで評価を高めてきた。展示空間は大小さまざまなゼラチン・シルバー・プリントで埋め尽くされ、中にはその上を歩くことができるものもあり、現像する薬品の香りも漂う。小松はまた、ガラス瓶やカードカタログのようなユニークなフォルムの手製の写真集も発表している。彼女が「リーヴル・オブジェ」と呼ぶ写真集は、視覚的に魅惑的で、環境問題に対する彼女の懸念も示唆されている。撮影、プリント、設置に対する彼女の多感覚的かつ実験的なアプローチは、写真というメディアとその物質性に対する彼女の熟練した技術を示している。

(Apertureによる展覧会プレスリリースを意訳)


展示風景

アルル国際写真祭
I’m So Happy You are Here
Japanese Woman Photographers from the 1950s to Now

会期:2024年7月1日−9月29日
会場:Palais de l’Archevêché(アルル、フランス)

 


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