
1991年、ゼラチン・シルバー・プリントに手彩色、42.9×35.4cm
©Masahisa Fukase Archives, courtesy of MEM

1991年、ゼラチン・シルバー・プリントに手彩色、35.4×42.9cm ©Masahisa Fukase Archives, courtesy of MEM

1991年、ゼラチン・シルバー・プリントに手彩色、42.9×35.4cm ©Masahisa Fukase Archives, courtesy of MEM

1991年、ゼラチン・シルバー・プリントに手彩色、35.4×42.9cm ©Masahisa Fukase Archives, courtesy of MEM
会期|2025年4月5日(土)-27日(日)
会場|MEM map
時間|13:00 – 19:00
定休|月曜日 (月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
電話|03-6459-3205
企画協力|深瀬昌久アーカイブス
《私景》は、深瀬がカメラを片手に自分自身を入れて様々な場所で撮影したシリーズで、晩年の代表作です。《私景》は1990年、銀座ニコンサロンで開催された「私景—旅の便り」で初めて展示されました。当初パリやロンドン、ブリュッセル、アントワープなどを旅したときの風景を撮影。その後東京の路上を歩き回って撮影するようになります。1992年、銀座ニコンサロンで《私景》《ブクブク》《ベロベロ》《ヒビ》から450枚あまりのプリントを展示した「私景’92」を開催しました。この会期の直後、深瀬は事故による障害により2012年に逝去するまで、長年の入院生活を余儀なくされることになります。
《私景’92》ではコニカビッグミニを使い、ノーファインダーで自分の顔や手、足をフレームにいれて撮影しました。その後、銀塩プリントの上から水彩絵の具で着彩、とくには言葉を添えたりして完成させています。プリントの上を縦横無尽に走り回る様々な色のストロークは、現実の風景に自身の内部から放射する衝動を重ね、描いているようにも見えます。街の路上や風景を撮影したという意味では80年代に発表された《歩く眼》に近いのですが、そこに自分の顔など身体が写しこまれているため、「見る-見られる」「撮影者-被写体」の関係が錯綜しています。さらに、着彩するときの身振りが加わることで、幾重にも重なった深瀬の眼差しと身体が見るものを揺さぶる作品群です。本展では特にこれらの着彩された写真群で展覧会を構成致します。
浅野忠信主演の深瀬の自伝的映画『レイブンズ』が3月28日より全国公開いたします。瀧内公美が演じる妻、洋子と深瀬の半生が、実話とフィクションを織り交ぜて描かれます。併せてご覧いただけましたら幸いです。
関連情報
【映画『レイブンズ』が公開】
3月28日より、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかにて全国公開
監督・脚本・プロデューサー:マーク・ギル
出演:浅野忠信、瀧内公美、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀
【赤々舎より、2冊の写真集が復刊】
深瀬昌久『洋子』
監修:トモ・コスガ
Book Design:鈴木千佳子
発行:赤々舎
深瀬昌久『遊戯』
監修:トモ・コスガ
Book Design:寄藤文平、垣内晴
発行:赤々舎