Ayano Sudo | MISSING

Dates |November 30 – December 22, 2024
Venue|MEM  map
Hours|13:00 – 19:00 ( Closed 17:30 on 20th December due to a talk event.)
Closed | Monday (Open if Monday is a public holiday, closed the following weekday)
Phone | 03-6459-3205
Admission | Free

Talk Event
20th December at 18:30〜
Participants|Noi Sawaragi, Ayano Sudo
Venue|MEM
Fee|¥1200
Capacity | 20 persons by reservation only
Japanese version only.
This event will be live-streamed and will be available on MEM’s youtube.

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被写体の変身願望や理想像、写真の中で実現できる自己を追い求め、性別や美的価値観を揺さぶる作品を発表してきた須藤絢乃の新作個展を開催いたします。

須藤は写真を始めた当初「自分ではない誰か」への強い憧れをもとに、まるで人形遊びのように衣装や化粧でなりたい姿を撮影した《Metamorphose》シリーズの制作を続けていました。その後20代半ばに大病を患い、ままならない身体を“ヒトガタ”と思う感覚が強くなる中で、駅の片隅に貼られた「尋ね人」のポスターが目に留まります。とある失踪した少女の捜索願の情報が書かれた貼り紙に、駅の中を行き急ぐ人々は目もくれず、十年以上行方のわからない少女が写真の中にひっそりと佇んでいました。貼り紙の写真は”行方不明である”ことを知らせると同時に、少女たちが確かに”生きていた”証でもあります。須藤自身もいつか人知れず消えてしまうのかもしれないという不安や恐怖を抱える中で、他人事ではない彼女たちの存在を強く意識させられました。その一人ひとりが生きていた時の輝きを作品に残そうと、彼女たちに自ら扮したシリーズ《幻影 Gespenster》を2014年に発表します。

《幻影 Gespenster》から10年後に制作された新作は《鬼が栖むか蛇が栖むか》と題され、さまざまな時代で強烈な印象を残した女性たちに須藤が扮するセルフポートレート作品です。

 

 

やっぱり、気になってしまうのは、居なくなってしまった人たちの事であった。それぞれの時代にアイコニックな姿を私たちの記憶に焼き付けながら、現在では消息不明の女たちが居る。

 

インターネットでいくら検索しても彼女たちの今を知る術はない。わずかにヒットする不鮮明な画像を凝視する。情報を脳内で補填し、解像度をあげてゆく。彼女たちは、私の身体を通してミッドナイトブルーの世界に立ち現れる。

(須藤絢乃、展覧会「MISSING」制作ノートより)

 

モデルにした女性たちは衣装や化粧に絶対的な特徴があり、名前は出さなくとも知る人には一目でわかるほどのアイコニックな存在です。須藤は当時の限られた情報から彼女たちの輪郭を捉え、象徴する装いを纏い、克明に写し出そうとします。写真はかつて存在した事実を記録し、私たちの目に触れる度に、存在していた時の姿のまま立ち現れる装置でもあります。行方不明の少女たちも、時代のアイコニックな女性たちも、他者のままではなく自分ごととして捉えるためにも須藤はセルフポートレートという手法を選びました。本展では9名の女性たちに扮する写真を展示いたします。