深瀬昌久展|眼差しと遊戯

会期|2023年4月15日(土) – 5月21日(日)
会場|MEM  map
時間|13:00 – 19:00
定休|月曜日 (月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)、
定休|5月3日-5月7日はゴールデンウィーク休廊
電話|03-6459-3205
協力|深瀬昌久アーカイブス

 

深瀬昌久(1934-2012)は北海道美深町の深瀬写真館に生まれる。3歳から写真に触れ、家業を手伝う傍ら、高校一年生で初めて自分用のカメラを手にし、写真雑誌への投稿をはじめる。18歳で上京し日本大学芸術学部写真学科に入学。卒業後は故郷に戻らず、東京の第一宣伝社に就職。広告写真とともに自身の写真作品の制作を続ける。1961年の個展「豚を殺せ」で芝浦の屠畜場、同棲相手のポートレイトや、死産した自身の子供の写真等を展示、雑誌にもその一部を発表する。1963年に、妻となる鰐部洋子との出会いがあり、洋子をモデルに撮影した写真を纏めた『洋子』を1978 年に刊行する。1971年、最初の写真集『遊戯』(「映像の現代」4、中央公論社)刊行。1974年、カメラ毎日の編集者山岸章二とジョン・シャーカフスキーの監修による「New Japanese Photography」展(ニューヨーク近代美術館)で《洋子》が紹介される。1976年、洋子と別れる前後に故郷の北海道を旅しながら撮影を始め、そのシリーズを《烏》と名付ける。《烏》は1976年から個展や雑誌で継続的に発表され、写真集『』(1986年、蒼穹舎)に纏められ刊行された。また、1978年から撮影し始めた猫の写真は、写真集『ビバ!サスケ』(1979年、ペットライフ社)等に纏められ出版される。

他の作品として、東京の川を源流から河口まで歩いて撮影したシリーズ《歩く眼》、故郷で家族の日常を20年近く撮り続け、父・助造が亡くなるまでを記録した《父の記憶》、自分の顔や足などをフレームに入れて撮影した《私景》、風呂場の湯船に潜って撮影した《ブクブク》、飲み屋で会った人たちの舌と自分の舌を絡ませて撮った《ベロベロ》等。写真の常識の外側を奔放に駆け抜けた作家であった。本展では、《鴉》、《洋子》、《サスケ》の代表的な3シリーズから選抜して展示し、「遊戯」に満ちた深瀬の制作活動の一端を紹介致します。


【関連展覧会】

「深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ」
会 期|2023年3月3日(金)-6月4日(日)
会 場|東京都写真美術館(東京・恵比寿)