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坂上チユキ展「博物誌」


会期 :2011年3月26日(土)〜4月24日(日)
MEM   東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
tel. 03-6459-3205

open hours:12:00-20:00 月曜休廊

坂上チユキによる、「博物誌」をご紹介致します。坂上は時折、いま話題になっている「アウトサイダーアート」の作家として紹介されていますが、本展は現代美術とアウトサイダーアートの境目、なにをもってアウトサイダーアートとしてある作品がカテゴライズされるかを巡る議論に一石を投じています。坂上はある種の美術教育も受け、古今東西の文学や音楽、生物学に通じ、他には類を見ない独自の芸術世界を追求している作家です。

坂上版「博物誌」は32枚からなる、幻視者としての坂上の内的世界の住人であるさまざまな生物、無生物、友人たちについて「語った」ドゥローイングのシリーズです。作品は青いインク一色でアルシュ紙に描かれています。そのブルーの小さい素描一枚一枚には、彼女が敬愛する鳥類や微生物、原始生物の細胞やうつくしい鉱物、玄武や朱雀など神話上の動物が描かれおり、それにある「言葉」が添えられています。その言葉はまったく読む事ができないのですが、幸いなことに観覧者へは作品のタイトルが、それを解読するヒントとして提供されています。またそれら一つ一つの作品は有機的につながり、発展し、全体としてひとつの宇宙を形作っています。万葉集や、現代音楽が引用され、ドゥルーガル・ディクソンの人類滅亡後の未来に誕生する生物を扱った「The Future is Wild」に登場する生物が扱われています。生命誕生の不思議、我々が生きていることの意味、子供が最初に描く一本の線についてなどなどに思いを巡らされる、極めて示唆に富んだ作品です。

魔法のように自在に走る極細の線描によって描かれた作品たちは純粋な意味での人間の創造活動のすばらしさを教えてくれます。展覧会会場にて、坂上チユキの「博物誌」を是非体験いただけましたら幸いです。昨年から今年にかけて一気に描き上げられた「博物誌」32点のドゥローイングに加え、数点の水彩画と銅版画により坂上版「博物誌」を構成致します。
作家について詳細